トピックス:スリムなトップ女優がなぜ心筋梗塞に?

  • 2013年08月23日
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40代のトップ女優が心筋梗塞で舞台を降板してから一ヶ月近くになります。彼女は健康に人一倍気を使っていたといわれ、現在でもメディアは、“医師も驚くまれなケース”と表現しています。

心筋梗塞はいうまでもなく動脈硬化性の病気であり、高コレステロールが最も重要な危険因子であるとされてきました。しかし、彼女のコレステロール値が高ければ当然、従来通りの説明が繰り返されたでしょう。まれなケースといわれる以上、コレステロール値は高くなかったと思われます。
実は「動脈硬化の悪玉コレステロール説」は完全に崩れています。

そもそも、“血中コレステロール値が高いと動脈硬化が進み、心筋梗塞の発症率が高くなる”という説は一般集団(ほとんどの人)に当てはまりません。とくに女性では、コレステロール値が高いほど心筋梗塞にかかりにくく、低い人の方が危険なのです。たとえば大阪・守口市民で健診を受けた人(3分の2が女性)を10年以上追跡すると、心筋梗塞も脳卒中もともに、コレステロール値の高い群の方が死亡率は低かったのです(2011年、米国内科医会誌)。

悪玉とされてきたLDL-コレステロールを薬で下げても、また善玉とされてきたHDL-コレステロールを薬で上げても、心筋梗塞は予防できませんでした。コレステロール値が高いことが、動脈硬化の原因になっていないのです。
私たちは二十年ほど前から、「植物油の摂りすぎが動脈硬化の原因になっている」と報告してきましたが、今年(2013年)になって、英国医学会誌の論説でこのことが強調され、方向転換を求めています。
参考:日本脂質栄養学会、「長寿のためのコレステロールガイドライン」、2010年

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